アニメ映画、君の膵臓をたべたい(通称:キミスイ)を見てきました。
恥ずかしながら劇場で泣いてしまったので、感想や評価を書いていこうと思います。
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「君の膵臓をたべたい(キミスイ)」のあらすじ(ネタバレなし)
「君の膵臓をたべたい」のあらすじを、ざっくりと説明します。
まだネタバレはないのでご安心ください。
あらすじ
他人に無関心で、いつも1人で本を読んでいる主人公の「僕」は、ある日病院で「共病文庫」と書かれた日記本を拾う。
その日記本の作者は同じクラスで人気者の女の子、山内桜良。
そして桜良は膵臓の病気で、余命が残り僅かであることを知ってしまう。
といった感じのストーリーです。
原作小説・実写映画を見ていなくても「君の膵臓をたべたい(キミスイ)」は楽しめる!
「君の膵臓をたべたい」は、原作小説・実写映画を見ていない人でも、問題なく楽しめます。
原作小説・実写映画ともにノータッチな僕
泣いてしまったとかいってますが、僕は別に原作(住野よるさんが書いた小説)ファンではありません。
というか、失礼ながら小説を手に取ったことすらないレベルの未読状態です。
2017年に実写映画が公開されたときも、一切見ていません。
ただ、「君の膵臓をたべたい」のことは知っていて、数年間ずっと気になっていました。
発行部数が260万部を超える大ヒット小説だから…というのもありますが、それは些細な要因です。
きっとそれだけじゃ、日が経てばすぐに忘れていたでしょう。
ではなぜ心に引っかかっていたのかというと、僕の大好きなラジオ「おぎやはぎのメガネびいき」で矢作さんが話題に出していたことが1番の理由です。
調べてみると、それは2016年5月までさかのぼりました。
矢作さんのトーク情報しか知らなくても泣ける作品だった
「おぎやはぎのメガネびいき」でのトークをざっくり要約すると
- 極楽とんぼの狂犬こと、加藤浩次さんが矢作さんに「君の膵臓をたべたい」を泣ける本として勧める。(加藤さんは見かけによらず、読書家なんだそうです)
- 「加藤さんも歳をとって涙腺が緩くなったんだな。ダラしない」なんて思いつつ、矢作さんAmazonでポチる。
- 小バカにしてた矢作さん、読んでみると声が出ちゃうくらい泣いてしまい、読み進めるのにも時間がかかった。
といった内容でした。
トークの書き起こしがこちらのサイトにまとまっていたので、詳細を知りたい人はどうぞ。
僕はその話がおもしろく、ずっと「君の膵臓をたべたい」が気になっていたんです。(じゃあ小説読めよって話ですが)
とりあえず結論としましては、原作の小説よんでない!実写映画もみてない!って人でも十分に楽しめるアニメ映画でした。
矢作さん情報しか知らない僕が泣けたぐらいなんで、間違いありません。
「君の膵臓をたべたい(キミスイ)」の感想・評価(ネタバレあり)
いくつかポイントを分けて、「君の膵臓をたべたい」の感想・評価を書いていきます。
ネタバレも入りますので、知りたくない人はご注意ください。
登場キャラクターが少ないから混乱しない
「君の膵臓をたべたい」の主要キャラは、5名しかいません。
- 主人公:僕(志賀春樹)
- ヒロイン:山内桜良
- ヒロインの親友:恭子
- ヒロインの元カレ:隆弘
- 同級生:ガムくれる男
マジでたったこれだけ!
ちょこちょこと両親なんかも出てきますが、モブの範囲です。
というか、基本的には主人公の「僕」と山内桜良の2人しか出てきません。
なので混乱することもなく、じっくりとキャラクター同士の会話や動きが頭に入ってきました。
なにか裏がありそうだな…と思っていたら、ただのイイ奴だったガムくれる男が好きでした。
主人公の「僕」の性格の原因が気になる
主人公の「僕」は、とにかく他人に無関心な性格をしています。
頭の中で人間関係を自己完結させる…的な、中二病くさいセリフもガンガン吐いてました。
- きっと親を早くに亡くして、性格が内向的になっちゃったのかな
- 過去にいじめにあったのかな
なんて先読みしていましたが、そういった描写は一切なし!両親もご存命だし夫婦仲も良好とのこと。
じゃあなんでそうなった!!
アニメ映画を見ている限りだと、特に理由もなく捻くれた性格をした根暗くんに見えてしまいました。
こんな主人公、最近のラノベにもよくいるじゃん!といわれたら、まぁそれまでなんですがね。
これって原作では掘り下げがあるんでしょうか。
単純にそういうヤツって解釈のままでも楽しめますが、少し気になりました。
声優の演技力の差がリアルなスクールカーストを感じた
主人公の「僕」の声を演じている俳優の高杉真宙さんですが、正直いって演技は抑揚のない棒読みでした。
それに比べて、ヒロインである山内桜良の声を演じたLynnさんのうまいこと!!
調べて分かったのですが、Lynnさんは僕の大好きなゲーム「ライフ イズ ストレンジ」の不良少女クロエの声も演じていたそうです。
全く気付きませんでした…。
さすがプロの声優さん!声の使い分けがすごい。
ただ、この演技力の差がいい意味で味わい深かった! (失礼だけど)
教室の端にいるおとなしい男子が、スクールカーストの高いカワイイ女子と仲良くできて、平然を装いつつも実はテンション上がってる感がすごくリアルだったんです。
これは高杉真宙さんのぎこちない演技と、Lynnさんのうまい演技の対比があったからこそ出せたリアリティだと思いますよ。
両者の演技がうまかった「君の名は」の神木隆之介&上白石萌音コンビのようにはいきませんが、これはこれで良いコンビだなぁと思いました。
星の王子様モチーフのところは感動するし泣けた
山内桜良が亡くなった映画の終盤では、桜良が唯一好きな本としてあげた「星の王子さま」をモチーフにしたシーンが流れました。
そこで桜良が「共病文庫」に残した、「僕」にあてた遺書を読み上げるんです。
そこがとてもジーンときました。
- 自分が「共病文庫」という日記本を書かなければ、「僕」との出会いはないこと
- 「僕」が本好きじゃなければ、共病文庫を手にしなかったこと
- 「僕」が他人に無関心な性格じゃなかったら、ここまで打ち解けた関係にはなれなかったこと
- 「僕」の言いつけを守って、最後まで共病文庫には「志賀春樹」という名前を出さなかったこと
そんなこれまでの振り返りを、「星の王子さま」と絡めた映像とともに桜良が穏やかな口調で語るんです。
そのときの桜良の服装は、いつもの制服姿ではなくお姫様風になっていました。
僕はここで猛烈に感動してしまい、気付けば涙腺が崩壊して泣いていましたねw
周りで鑑賞している人も、このシーンで泣いている人が多くいた印象でした。
原作の小説や実写映画にこの描写があったのかはわかりませんが、アニメだからこそ、あそこまで感動的にできた描写だと思います。
「僕」と恭子が関係を深める過程を描いてほしかった
「僕」と恭子の2人で、エンドロール後に桜良の墓参りをするシーンがあります。(見逃し要注意)
恭子とそんな関係を築くまでに、1年もの期間がかかったと「僕」はいっていました。
あんなに人に無関心だったのに、春樹くんがんばったじゃないか!
でも、その恭子と「僕」が仲良くなるまでの過程が一切なかったのは残念でした。
あぁー!せっかく春樹くんがんばったのにー!!
アニメ映画だからこそ、エンドロール中にでもスライドショー的な感じで、そういう要素を入れてほしかったですね。
2~3枚でいいんで、2人が関係を深めてゆく絵が見たかったもんです。
劇中ではずーっと「僕」にヤイヤイ噛みついていた恭子ですが、お墓参りシーンではお互い対等に落ち着いて話しているところには感動しましたね。
そして恭子はガムくれる男といい感じらしく、受験が終わったら付き合うらしいです。
ガムいつの間に…!ヒューヒュー!
「君の膵臓をたべたい」という言葉の意味
作中では、桜良と「僕」は性格も言動も全く似ておらず、正反対の位置にいると表現されていました。
しかし、そんな2人は惹かれあっていて、正反対の位置にいながらもお互いを向き合っていたんです。
それぞれが「君のような人間になりたい」と憧れていたことが、終盤になって明らかになりました。
「爪の垢を煎じて飲みたい」という表現では足りない、2人だけにしか通じない言葉。
「爪の垢を煎じて飲みたい」より、もっとずっとその意味を強くした言葉。
桜良と「僕」だからこそわかる、最も2人らしい言葉。
それが「君の膵臓をたべたい」というものでした。
言葉の響きは物騒ですが、意味を知るとその素敵なやり取りとタイトルに胸が熱くなりました。
来場者特典として「父と追憶の誰かに」ゲット!
来場者特典として、原作者である住野よるさんの書き下ろし小説「父と追憶の誰かに」をゲットしましたよ!
小説の内容は、原作「君の膵臓をたべたい」の未来を描いた作品とのことでした。
これは原作読まなきゃだな。
中身は小説だけではなく、「僕」役の高杉真宙さん、山内桜良役のLynnさんと住野よるさんによる対談も収録されていました。
豪華な特典内容ですよね!
まだパラパラとしか読めていないので、休日に余韻に浸りながらゆっくり読もうと思います。
アニメ映画「君の膵臓をたべたい(キミスイ)」ネタバレ感想・評価/まとめ
原作小説も実写映画もまったくのノータッチ状態で観に行きましたが、結果として涙するぐらい感動してしまいました。
僕の心に数年間「君の膵臓をたべたい」を引っかからせてくれた矢作さんありがとう!
口コミや感想を読んでいると原作ファンからの評判も高いので、「君の膵臓をたべたい」を知っている人も知らない人も楽しめるアニメ映画になっていると思います。
気になっている人は、ぜひ映画館へGO!
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